こんにちは。体で感じる解剖学、講師の稲田です。
連休中の5月5日、元巨人軍の長嶋茂雄さんと松井秀喜選手が国民栄誉賞を受賞されましたね。
長嶋さんといえばミスタープロ野球、知らない人がいないくらい有名ですよね。
僕は子供の時は阪神ファンだったので、長嶋・王はライバル球団ということもあり、そんなには思い入れはなかったんです。
どちらかというと、選手時代よりも引退後の長嶋語録のほうが楽しませていただきました。^^
どちらかというと、選手時代よりも引退後の長嶋語録のほうが楽しませていただきました。^^
そんな松井選手は、長嶋監督のもとで子弟関係としてほぼ毎試合後に素振りの個人指導を受けていたそうです。
長嶋さんは体感覚の人ですから、自分の感じている感覚をそのまま指導言語に使うので、わからない者には意味不明だったりするんですが、松井はどうだったんでしょうね?
有名なところでは、原辰徳(現巨人の監督)へのバッティング指導の言葉。
「腰のあたりをグーッと、ガーッとパワーでプッシュして、ビシッと手首をリターンするんだよ。」
いわゆるひとつの創造英語と擬音語がバンバンですよね。(^o^;)
6日付の読売新聞の文化欄で、ノンフィクション作家の後藤正治さんがかつて松井が長嶋監督にバッティング指導受けたあとのインタビューで松井に尋ねたことがあるそうです。
―監督は何をあなたに伝えていたのですか?
「へその辺りに気を集中させて球を待てと。そうすれば必ず打てる球が来ると」
―どういうことなんでしょう?
「う~ん、うまく説明できません。実はボクもよくわかっていなかったりして」
そんなユーモアで受け答えしていたそうですが、おそらく松井は長嶋監督の比喩的イメジェリー(?)満載のアドバイスを自分自身の身体に落とし込んで物にしていったんでしょうね。
外的な指示がいくら優れていても、当人の明晰なビジョンだったり理解力にとってかわることはできません。
効果的なトレーニングは当人自身の知覚力からの指示が絶対に必要です。
そういう意味で、松井秀樹は長嶋監督の独特の指導言語を翻訳して自分自身の知覚に置き換えていく訓練を無意識に行っていたんでしょうね。
また一人素晴らしい選手が引退するのは寂しいですが、ひとまずは松井選手国民栄誉賞おめでとうございました!
お読みいただきありがとうございました。